私は離婚の手続きやご相談を「業務」としては展開していないのですが、
たまに「離婚したいんです。裁判やればすぐに離婚できますか?」という質問を受けます。
答えは「わかりません」としか言いようがありません。
離婚裁判は、まず「離婚調停」を申し立てて、実際に調停をやって、
(申し立てから一回目の調停まではおよそ1ヶ月かかります。)
調停が不成立となった後に、やっと家庭裁判所に起訴できます。
そこまでも時間がかかりますが、
起訴してから一回目の裁判までもまた時間がかかり、
その後に本人尋問などを経て、
起訴から1年くらいかけてやっと判決が出ます。
さて、ここで勝訴判決が出たら終わりかと思いきや、
日本は三審制ですから、判決から2週間以内に相手が控訴してきたら、
次は高等裁判へ移行します。
そうすると、第一審で出た判決で決められた、
つまりこちらが受け取れたはずの養育費や慰謝料は
高等裁判が終わるまで「おあずけ」になってしまうのです。
そういう感じで、もし高等裁判でも上告となれば次は最高裁へ。。。
(ちなみに、私は第1審は全面勝訴でしたが、控訴されて高等裁判まで行って、時間をかけて勝訴をするよりも、早めに終わらせたい一心で「和解」を選びました。)
子どもを抱えていれば、その分、月日が進んだ分、お金がかかります。
私はこの5年間、2人の子どもたちにかかったお金を計算したら、
ゆうに350万を超えておりました。
学校、学童保育、塾、習い事だけで・・・です。
ちなみに、学校(給食費・教材費)、学童保育、中学の制服代などのお金だけでも150万を超えていました。
ここに、医療費や洋服代や買い足した学用品(習字道具や笛などの楽器や体操服など)や
クリスマスや誕生日のプレゼントなどなどを足すと、
400〜500万円はいくんじゃないかと思います。
ちなみに、うちの娘は来年から高校生ですから、
さらにさらにお金がかかりますし、その下(息子)もいますし。。。
裁判をやっている間も、このお金はかかり続けるのです。
裁判をやっていると、途中で「和解」という話も出てきます。
たいてい、相手から慰謝料の減額などについて提示されます。
ここで、裁判が終わるまで月々にかかる子どもたちのお金と、
養育費や慰謝料として実際に手元に入るお金を計算してみて、
例えこちらが提示した慰謝料を譲らなくても、月々にかかるお金の方が高かったら、
多少の慰謝料の減額があっても、和解に応じて一日でも早く終わらせた方がいいですよね。
悔しさでいっぱいで「絶対に和解に応じたくない!」という気持ちもあると思いますが、
ご自身とお子さんたちの「これからの生活」を第一に考えて頂きたいなと思います。
ちなみに、通常、別居して1人でお子さんを養育していても、その分の養育費は払われないことが多いようです。
それは、1人で子どもを養育できたという実績にはなれど、
その間、請求していなければ、請求権ごと発生しないという考えのようです。
養育費とは、あくまで子どもが親に扶養してもらう権利によるものであって、
その間、扶養してもらえていたならいいということのようです。
ま、1人で育てている親はちょー大変ですけどね。
ただ、これは弁護士さんによっても見解が違うと思いますので、
もしも起訴される場合は必ず弁護士さんに相談してみて下さいね。
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