今日、息子が熱を出しました。
大した熱じゃなかったのだけど、
あれこれと世話をしなきゃいけなかったので、今日は遅めの出勤にしました。
いつもより遅めの時間に洗濯物を干していると、
つけっぱなしだったテレビ(NHKのあさイチ)から、衝撃的なドキュメンタリーが流れてきました。
殺処分された犬猫たちの遺骨を砕いて、土に混ぜて肥料にして、
種をまいて咲かせた「命の花」に殺処分を減らすメッセージを託して届ける
青森の女子高生たちの取り組みです。
一人の女子高生が言っていました。
「殺処分される犬猫がいることも悲しいけれど、その遺骨はゴミになるんだそうです。なんでゴミ扱いなんだろう。」と。
女子高生たちは殺処分の現場「動物愛護センター」を訪れ、
職員から説明を受け、見学をし、遺骨のいっぱい入った袋を受け取ります。
センターを訪れる前と後では彼女たちの表情が明らかに違いました。
二酸化炭素が充満する密室で殺処分され、焼却された遺骨の数々。
彼女たちは遺骨の入った袋を学校に持ち帰り、大きなトレーにあけました。
遺骨はしゃりしゃりと音を立ててトレーの中に散らばりました。
先生が「このレンガでつぶして粉にするんだよ」と生徒たちに促しましたが、彼女たちは動けませんでした。
見かねた先生が、自らレンガで目の前の遺骨を押しつぶし始めると、
生徒たちもレンガを手に押しつぶし始めました。
遺骨は意外とかたくて、力を入れないと潰れません。
力を入れてレンガでつぶそうとすると、遺骨は音を立て、その感触も手に伝わってくるようです。
涙を流す生徒や「ごめんね」とつぶやいている生徒もいました。
その姿を見ていた私は、洗濯物を干す手が止まってしまいました。
この子たちは、人間があきらめた命、捨てた命に真正面に向き合ってくれているんだなと思うと、泣けてきました。
目の前にいる愛犬チェリーも保健所に持ち込まれたことがあります。
ここで安心して寝ているチェリーと、この殺処分された犬猫たちのどこがどう違うというのかな。
出会いという運命の違いだけで、殺処分という結末を迎えた犬猫たちとそこに向き合う高校生たち。
複雑な思いでした。
彼女たちは、さらさらの粉にした遺骨を土に混ぜ、マリーゴールドの種をまいて、花を咲かせました。
マリーゴールドの花言葉は「命」だそうです。
地域のイベントなどに、小さなカップに咲かせた「命の花」をたくさん持っていき、その場に来た人に配ります。
殺処分される犬猫がいなくなることを願って、
その「命の花」の意味も、土に遺骨が混ざっていることも伝えるのだそうです。
この取り組みは平成24年からやっていて、青森では少しずつ殺処分数が減っているとのこと。
でもきっと、殺処分の是非って、「数」じゃないと思います。
現実問題は「数」が実績になるのだろうけれど、
たとえ1匹でも命を奪われるなら、その原因はやっぱり人間にあるのだし。
最後まで見ていたかったけど、さすがに仕事も放るわけにいかないので、テレビはそこで消して出勤しました。
この高校生たちの取り組みに、そして、
チェリーのように保健所から保護してくれる善意の団体に多くの理解が集まり、
殺処分がなくなることを願っています。