今日の内容は、許認可申請要件と行政書士の仕事の受注についてです。
「来月の売上、あと◯◯万円くらい見込めないかなぁ〜」と思っていたところに、
近所の税理士さんから、建設業許可申請を必要とするお客様をご紹介いただきました。
建設業許可申請以外にもいろいろと必要でして、見積もってみるとちょうど「欲しいなぁ〜」と思うくらいの金額になりました(笑)
しかし、行政書士はここで喜んではいけないのです。
建設業許可のように、ちょっとハードルの高い許可申請案件では、お客様の責任によるところではなく、かといって行政書士の責任によるところでもなく、受注できないケースがあります。
つまり、許可要件を満たせていないことが判明した場合です。
例えば、建設業許可要件では、
①個人事業主としての工事請負の経営期間か、工事請負の建設会社での取締役就任期間が5年以上ある方(経営管理責任者)が取締役として常勤していること
と
②所定の資格を持たれた方か、10年以上の実務経験を積んだことを証明できる方などの一定の技術力がある方(専任技術者)が常勤していること
その他諸々の要件が必要となります。
①の経営経験が1ヶ月足りなくてもダメだし、②の実務経験が1ヶ月足りなくてもダメなのです。
申請書を作っても、書類審査ではねられてしまい、申請自体が受け付けられません。
これはお客様の責任によるところではなく、単純にその年数が達していないというだけなので、時期が来れば受注できるし、お客様も許可を取得することができます。
これは、行政書士の仕事の特徴のひとつだと思います。
1ヶ月の間に、5件紹介いただいて、5件とも受任できずに終わったものもあります。
その後、要件を満たせた後に、正式受任させていただいたお客様もいらっしゃいますが。
税理士さんがお客様を紹介してもらって、税務申告できないということはないでしょうし、
司法書士さんがお客様を紹介してもらって、登記申請できないということもないでしょうし、
社会保険労務士さんがお客様を紹介してもらって、社会保険の手続きができないということもないでしょう。
理由が不法行為なら別ですが。。。
経験談をひとつ。
東京都内で建設業を営むお客様をご紹介頂いたときのお話です。
お客様から建設業許可申請をご依頼いただいたのですが、
東京都で必要とされる上記②の専任技術者の実務経験10年を証明するための社会保険の加入記録がまったくなく
(前勤務先の会社が、社会保険未加入会社だったため、社員であったそのお客様の年金記録は国民年金のままだったのです。)、
そのままでは建設業許可申請ができないということが判明しました。
結局、
その方が所定の資格を取るか、
資格者や10年分の証明可能な実務経験を持つ方を雇用するか、
現在の許可なしの建設業で税込500万円未満の工事ばかりを請け負って10年の経過を待って証明しない限り、
許可申請ができないということが判明したのです。
これが千葉県のケースだったら、実務経験に社会保険の加入記録は不要なので、全勤務先の社長による実務経験証明書への押印さえもらえれば受任できた話だったのです。
行政書士の私に取っても、お客様に取っても、痛いケースでした。。。
ちなみに、今回ご紹介頂いたお客様については、いろいろと確認をしてみた結果、正式に受任できることがわかりました。
申請に向けて、きっちり仕事させていただきます。