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2013年11月5日火曜日

【情報】シングルマザーのお金のこと

2013年11月05日

離婚相談に訪れる方の離婚後の生活費について少しお話しします。



特に「児童扶養手当(母子家庭手当)」と「養育費」。



結論から言うと、児童扶養手当や養育費はあくまでプラスαであり、


これらありきの生活費設計は、


万が一、手当や養育費が受けられなくなったときには成り立たなくなりますので、


初めはこれらの手当や養育費なしで厳しめに見積もることが必要です。




それでは、以下にご説明します。


児童扶養手当は、市町村が認定したひとり親家庭に対して支給される手当のことです。


離婚が成立していなくても、「片方の親から1年以上遺棄されている児童」、


「片方の親からDV防止法による保護命令を受けている児童」、


「未婚の母の児童」などを扶養するひとり親家庭なら認定されることとなっています。


(※所得税の寡婦控除については、離婚の成立の事実がなければ受けることはできません。)



児童扶養手当の支給額は受ける人の所得によって減額されて支給されます。


2人扶養でたいてい満額46,000円(/月)程度ですが、


子ども2人を育てるのに満額という所得は現実的ではありません。


満額を受けるには、ひとり親の所得が95万円以下でなくてはなりません。
(この金額は、こちらのホームページを覧ください。)



また、この児童扶養手当は、生計を共にしている他の所得者がいれば、


その所得も合算して減額を算出します。


なので、実家住まいなどであれば、ほとんどのケースで減額されてしまい、


支給額はほとんどないに等しくなります。


(ちなみに、国民健康保険や国民年金などは、その保険料を算出するとき、


 世帯(住民票)を分けることで母親が世帯主となり、


 独立した世帯として認められますが、


 児童扶養手当の場合は世帯を分けているかどうかは関係なく、


 所得調査は、同じ家に住む他の居住者の分も合算されます。)




また、市町村によっては、元のご主人が所有していた住宅に住んでいる場合も


受けることができないようです。




つまり、児童扶養手当というものは、


独立して生活する母子家庭に対して、その負担を軽減するために支給するということです。



具体的には、通常、お子さんを養育するための広さを持った住宅(2K程度)を自身で用意する場合、


満額支給額の46,000円程度の家賃で見つけることは結構難しいので、


手当さえもらえれば家賃負担なしに生活が送れるということでもありません



ということで、手当が支給されれば大変ありがたく、それに越したことはありませんが、


離婚の際は、手当ありきで生活設計をするのはお勧めできません。




養育費も同様です。


元配偶者から受け取る養育費ですが、途中で途絶えてしまうケースが少なくありません。


養育費が途中で途絶えてしまっても生活できる基盤づくりが必要です。


(公正証書で離婚協議書(離婚給付契約書)を備えて、

 元配偶者の給料や預金口座の差押えを強制執行できるケースもありますが、

 元配偶者が会社を辞めていたり、預貯金がないなどの場合は、

 現実的に「ない者からは取れない」ということになります。

 これは裁判で勝訴して「債務名義」が認められても同じことです。)




ということで、お子さんを養育しながらの離婚後の生活費の設計は、


用意する住まいの家賃、水道光熱費、食費、衣服費、通信費、交際費、


そして教育費(給食費、教材費、修学旅行などの積立金、塾や受験の費用、制服代など)を算出して、


厳しめに見積もり、収入(仕事)の確保をすることをお勧めします。




ちなみに、母子家庭の医療費は、児童扶養手当と同じく、市町村から助成されますが、


その助成の方法や金額は市町村によって違います。


例えば、船橋市のように、窓口で一定額のみ支払えば


その差額を市が直接に負担してくれるところもあれば、


習志野市のように、一度立替払いをして、


その後にその領収証をもって助成申請をし、


その精算額が2ヶ月後に支払われるというところもあります。


窓口で一旦立替払いをしなければならない習志野市では、


急な手術、入院に備えて、貯金をしておく、医療保険で備えておくなどの対策は必要です。


(なお、船橋市と習志野市とでは、自己負担額にも差があります。)