「商道徳」というキーワードは、このブログの検索ワードでもかなり頻繁に検索されている言葉です。
辞書では「商売上の道徳」とありますし、
松下幸之助は「商売人の使命に誠実に従い、果たしていくこと」と説いています。
定義は広いと思うのですが、
私は「商売人として活動する際の志と配慮」と解釈することが多いです。
それは、長く商売をしていくための、信頼関係を構築していくためには必要なことだと思っています。
具体的には、誰から頂いた仕事なのか、そして、
自分にはどのような使命を果たすことがお客様から求められているのかを
意識して仕事をしています。
「誰から頂いた仕事なのか」は、仕事のやり方に違いが出ます。
例えば、私は業として経営相談(コンサルティング)をやっていますが、
税理士さんからご紹介いただいた建設業許可申請の業務について、
当然、そのお客様には決算書分析だの、「もっとこんな方法がある」だのは提案しません。
ただひたすら、許可申請業務のみに尽力します。
そのうえで、誰か専門家を紹介するニーズが生じたとしても、
まずはご紹介してくださった方に報告をして判断を仰ぎます。
たとえ、その専門家を私の繋がりで持っていたとしてもです。
ご紹介をしてくださった方の立場を守り、その仕事を邪魔しないのが、私の商道徳です。
ご紹介者様や協力先様を大切にするのは、当たり前のことだと思うのですが、
逆に、私がご紹介をして、こういうことを理解してくださらない方も意外と多いものです。
それを良いと見るか、甘いと見るかどうかは人それぞれですが、
私はそれ以上、その方に人を紹介をすることはありません。
もうひとつは、「自分にはどのような使命を果たすことがお客様から求められているのか」ですが、
これは、お客様、ご紹介者様、ご協力先様の皆様に、
「自分は何を求められて仕事をご依頼いただいているか」
を意識することが大切だと思っています。
仕事に対する誠実さを活かすのも、ここがあってこそです。
その積み重ねが、信用に繋がると思います。
お客様やその先のお客様を思って誠実に仕事に向き合うのか、
「金額や辻褄が合えば、誠実さよりも効率を求めればいい」と考えるのか、
ということでしょうか。
「下町ロケット」の佃製作所は明らかに前者で、サヤマ製作所は後者ですが、
佃製作所が主役を務めるあのドラマや小説が支持されたのは、
こういう部分だと思います。