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2019年6月25日火曜日

会社経営は引き算で考えてから、逆算する。

おはようございます。瀬戸川です。

昨夜は、ある会社の会議に「説明役」として同席しました。

試算表の読み方をベースに、この会社に必要な売上高と資金繰りを説明するのが目的です。

そこで、こんなレジュメを作って持っていきました。




お金のことは、小学校の算数で習った「引き算」で考えるとわかりやすいのです。

引き算をベースにして、そこから逆算して、いくらの売上が必要で、いくらの回収が必要だということを把握するのが必須です。

実は、この会社は、私が建設業許可関連の事務作業と、毎年の経営事項審査で関わっています。
本来は年1回ペースで経営事項審査の準備のときに決算書を拝見するという関わり方でした。
毎年多額の利益を出していました。

しかし、先日たまたま近くを通り、ふらっと寄ってみたら、会長から相談を切り出されました。
手元資金が深刻なほど減っているのです。
9ヶ月前の息子さんへの事業承継を機に一気に赤字に転落していました。

その場で弥生会計から期間試算表と月次推移試算表を印刷してもらい、なぜお金が減ったのかを分析して説明したところ、「ぜひそれを現在の社長に説明してほしい」とのことで、昨夜の会議の説明役を請われたというわけです。

実は、この会社には「経営」を謳う税理士がついています。
毎月適切なアドバイスをしてあげていれば状況が深刻になる前にもっと選択肢があったはずです。
聞くところによれば、3ヶ月に一度担当者が来て、「赤字ですが大丈夫ですか?」と聞くだけだったそうです。

試算表の読み方も教えてもらえていない現社長は「これくらいの売上があればいいか」という認識しかなく、結果として大幅な赤字に転落したようでした。

本来、もっと早く「今月は赤字ですが来月は挽回できそうですか?何か案件は入ってくる兆しはありますか?月平均これくらいは必要ですよ。」という話と試算表の説明があって然るべきでしょう。
「経営支援」を謳い、毎月見ているならば、の話ですが。 
(高額な毎月の報酬を取っているので、「毎月見てなかった」なんて言い訳はできないですよね。)

タラレバを言っても仕方ありませんが、ここからは「必要売上を確保する方向で挽回するのか」「清算するのか」の方向性を決めて、これ以上の傷を深めないうちに動くしかありません。

困ったことに建設業は現金販売がありませんので、今から受注して回収するまでに数ヶ月を要します。
それまでにもたせる方法もいくつかありますが、そうした方がいいのか、会社の資産を売却して清算した方がいいのか会社の皆さんと共に検討していきます。
もたせる場合、前提として現社長に相応の覚悟が必要ですが。

私もできる限り伴走したいと思います。